虫飼いのつぶやき[1]
昆虫採集購入記 デューク東郷


1994年7月9日(土) 神奈川県横浜市旭区S山にて

【収穫なし】

デューク隊員のみ

備考:近所の小学生がコクワガタ♂小型を1頭捕まえていた。くやしい〜。又、半袖姿で
靴下をはかず、虫よけ剤も使わないで薮に入った為、に三十数カ所刺された。その夜、
あまりに痒くて悶絶した。それと、山道でシデムシ2頭がミミズにたかっているという気
持ち悪いシーンに出くわした。ぎゃっ。




1994年7月23日(土)〜7月24(日) 東京都八王子市高尾山にて

【ノコギリ♀大型×1、ミヤマカミキリ小型×1】

元・上司採集隊全員[元・上司隊長、悪友隊員、デューク隊員]

備考:いずれも採集後、山に逃した。又、採集はしなかったが、ミヤマカミキリ小型1頭
が別の場所でクヌギに留まっているのを確認している。それと、高尾山中でマムシ1匹に
遭遇した。さらに! 忘れてならないのは、ヒキガエル大型がアオダイショウ小型を尻尾
の方から飲み込んでいるという珍しい光景に出会った事だ。これは1枚の写真に収めてあ
る。貴重な経験といえよう。カマドウマ多し。

ちなみに! 以下は元・上司隊長が作成した「高尾山昆虫採集計画書」の全内容だ。

	   <高尾山昆虫採集計画書>
	
【1】日時:1994年7月23日 19時30分〜24日 正午頃迄予定
 	
【2】集合場所:旧ページワン店舗前
	
【3】参加者:悪友隊員、デューク隊員、元・上司隊長
	
【4】コース:秋葉原→首都高速本町→新宿→中央道高井戸
       →八王子→甲州街道→高尾山
       ( 所要時間 約3時間 )
	
【5】持参する物:電灯/電池(大型の物が望ましい) 
         水筒(中味は水でなくても良い) 
         薬(傷用及び虫除け虫刺され用) 
         軍手(バイク用などでも可) 
         着替え 
         タオル・ティッシュ 
         スコップ(園芸用の小さい物) 
         帽子 
         補虫網等(自由) 
         カメラ(自由) 
         虫入れ(持帰り希望者のみ) 
         杖・棒等(自由) 
	
【6】注意事項:危険動物/昆虫には注意する 
        安全性の高い服装及び靴を用意する 
        自然を壊すような行動をしない   
        採集する昆虫は優しく扱う 
        トイレが無い為、必ず事前に用を足す




1994年7月26日(火) 神奈川県横浜市旭区S山にて

【ノコギリ♀×3 内訳:小・中・大型が各1】

元・上司隊長、デューク隊員

備考:コクワガタ♂中型1頭及びノコギリクワガタ♂大型2頭を捕らえ損ねた。余談だが、
道でうんこ踏ん付けた。おえ〜。




1994年7月27日(水) 神奈川県横浜市旭区S山にて

【ノコギリ♂大型×1、ノコギリ♀中型×1】

元・上司隊長、デューク隊員

備考:捕らえたノコギリクワガタ♂大型は、昨晩逃した個体の中の1頭と同じものであろ
う(昨晩と同じ場所にいた為)。




1994年7月28日(木) 神奈川県横浜市旭区S山にて

【コクワ♂小型×1、コクワ♀小型×1、カブトムシ♀大型×1】

元・上司採集隊全員

備考:先日捕らえたノコギリクワガタ♀×2(内訳:小・中型が各1)及び、当日捕らえ
たカブトムシ♀大型×1を山に逃した。よかったね。又、ゲジゲジ大型が複数ある長い足
でセミをまるめ込み、食べようとしているショッキングなシーンに出くわした。それと、
セミの美しい羽化を目撃し心から感動した。森にカマドウマ、ゴキブリ多し。




1994年8月4日(木) 通販にて

【ミヤマ♂68mm×1,ミヤマ♀大型×1】

デューク隊員のみ

備考:クール宅急便午前必着で届いたのは衝撃的だった。




1994年8月23日(水)〜8月24(木) 埼玉県比企郡武蔵嵐山町にて

【収穫なし】

元・上司採集隊全員

備考:とにかく、「蝶の里」「オオムラサキの森」など名前だけでな〜んにもいやしなか
った…求めている虫(クワガタやカブト)やオオムラサキが! それどころか、森の中で
マムシ注意、マムシ注意とやたら立て看板で警告して人を驚かしているクセして(ほんと
に始めはビビッていたぜ、俺達)、そのマムシすら全くいないと来たもんだ(…それはそ
れで良かったのかも知れないが、いや、良かったのだろう)。あの森はもう死んでいるん
ではないだろうか、カマドウマもいたし…。思い出したが、蜘蛛がやたら多かった。最初
は皆、マムシを恐れて下ばかり注意していたが、そんなもの歩けども歩けどもいなく、つ
いには何故かマムシが見たくなる衝動が起こって(極度の緊張状態からやや解き放たれた
時に起こる反動みたいなものだろうか)、わざと出くわす様に歩いてみたりもしたが、そ
れでもいない。そうこうしているうちに、いま現在我々が実際被害を受けていて注意しな
ければならないのはマムシではなく、蜘蛛及び蜘蛛の巣であるという事に気が付いて来た。
そうなって来ると今度は下ではなく、上の方を注意して歩く様になり、しまいには、「マ
ムシなんか本当はいないんだ。恐いのは蜘蛛の巣だけだ」…なんてつぶやいてしまうのだ
から笑ってしまう。そんな訳で何も収穫が得られなかった旅行であった(でもその後いろ
いろと楽しい事があり、有意義な2日間でもあったのだが…)。あと、せっかく立ち寄っ
た「虫研」が休みだった。




1994年9月1日(木) 神奈川県横浜市旭区S山にて

【コクワガタ♂×6 内訳:小型1、中型3、大型2】

元・上司採集隊全員

備考:今年最後になるであろう3人による採集旅行である。今回が今までの中で一番収穫
が多かったと言って良いだろう(全てコクワガタだが)。それにしてもメスが1頭も捕れ
なかったのは残念だ。おそらく、時期からしてメスの殆どは産卵する、もしくはし終えた
為朽木の中に入り、木の表面に出ている個体はもう数少ないのであろう(それともただ単
に運が悪かっただけかも知れないが…)。とにかくこの地でいつも収穫が多いのは、何度
も来ている為、虫の好むポイントを4箇所見つけられたからである(この4箇所に行くと
いずれかに何かしらいる)。今回採集したコクワ中型×1を良く見ると、大顎の片方の殆
どが折れていた為(最初、メスだと思った)、山に逃した。元気でいて欲しい。




1994年12月23日(金) 池袋東武デパートにて

【コクワガタ幼虫×1】

デューク隊員のみ

備考:池袋東急ハンズでクワガタのダニ取りに使う柔らかい『獣毛歯ブラシ』を買い、一
服するために東武デパートの屋上へ行くと、いつものようにカブト・クワガタコーナに立
ち寄った。すると、片隅に『クワガタ幼虫』と書かれたシールを貼った小さめの瓶が何本
か置いてあり、値段を見ると8百円だったので思わず買ってしまった。お金を支払う時、
店員のあんちゃんに「何クワガタが入っているのか分かります?」と聞いてみると、「多
分、コクワじゃないの」とそっけない返事が返ってきた。僕はニコニコしながら屋上のベ
ンチに腰掛け、瓶を眺めまわすと底に小さいお尻が見えた。「おっ、うんこしてる! 元
気じゃて、元気じゃて」この正体不明の幼虫は『幼タン』と名付けた。
 昼のひととき…小春日和でぬくぬくしたこのデパートの屋上で、幸せそうにベンチに座
って寄り添い合っているアベック達に囲まれながら、僕もこの力強く生きている小さな生
き物と一緒(?)に至福の時を過ごした。    




1995年1月2日(月) 板橋区A公園にて

【コクワガタ♀(新成虫)×1、幼虫×5】

悪友A、悪友B、悪友隊員、デューク隊員

備考:元旦及び2日にオオケマイマイを捕りに板橋区の荒川付近へ悪友たちと行って来た。
結果は両日共に★だった。特に元旦は午後6時頃現地に着いた為、辺りはもう真っ暗で、
しかも『北風小僧の寒太郎』が暴れまくっているとでもいった様な寒風が吹きすさび、こ
りゃたまらんと! とすぐ帰ってしまった(誘いに乗った悪友2人は悲惨!)。これに懲
りず、2日は別の悪友と今度は昼間から出掛けた。この日は天気に恵まれ、雲一つない快
晴だった。僕らは暖かい陽気に包まれ、心ウキウキ状態で現地に着くと、早速移植ごて片
手に積もり積もった落葉を掻き分け、探し始めた。すると、そこには何故か過激なエロ本
が数冊捨てられていて、それを見つける度、悪友ははしゃいでいた。『うん?』僕はヘア
写真集の傍にクワガタがいそうな細い倒木を発見した。『旋風烈斬』と叫びながら、その
朽木を移植ごてで2つに割ると、なんと! クワガタ幼虫のものと思われる食痕があった。
それの片方を路上に持ち出すと、丁寧に削っていった。その途端、『うわっ』僕は叫んだ。
木の中から大小のアカズムカデが数頭、ずぞぞぞっと出て来たからだ。以前、そいつに噛
まれひどい目にあったので、僕は恐怖で戦慄した。それを見た悪友は馬鹿にした顔で『そ
れはクワガタじゃなく、ムカデの巣窟だ』と言った。しかし、僕は数少ない経験からこれ
はクワガタのものであると確信していたので、もう片方の朽木をそこに持って来ると再び
朽木割りを始めた。『あっ、いた!』僕はまたもや叫んだ。遂にコクワガタの幼虫を発見
したからだ。結局その木と、もう1つの朽木からコクワの♀成虫1頭と幼虫5頭が捕れた。
その時の採集風景は十数枚の写真に収めてある。ほかにも白腐れした倒木がいっぱいあっ
たが、これ以上この場所を荒らしたくはないので手を付けなかった(それらはクヌギで、
しかも程よく朽ちていたので、もしかしたらオオクワもいるかも知れない!)。捕まえた
幼虫たちは成虫になったら皆この場所に放してやる事と決めて、彼らが入っていた材共ど
も持ち帰った。
…という訳で、オオケマイマイは見つける事が出来なかった。しかし、その場所は十数年
前と大して変わっていなかったので、絶対どこかにいるはずだ。今回は探し方が悪かった
のだろう(彼らがどの様に越冬しているのか分かれば良いのだが…)。それにしても、今
回の採集を通して、『東京もまだ捨てたものじゃない!』としみじみ思った。ここ以外の
場所(東京特別区内)でもきっと、クワガタたちはひっそり生活している事だろう。




1995年7月5日(水) 自室にて死亡

【トクノシマヒラタ♂69mm×1】

備考:今朝、トクノシマヒラタが入ったプラケを覗いてみると、昨日から元気をなくして
いた♂が片隅で冷たくなっていた。2日前までは活発に動いていたというのに…。あっけ
ない死に方だった。でも、彼には2頭の子供がいる。彼は子供を産ませるという自分の義
務を見事に果たして死んでいったのだから、彼の死を惜しむ事はない。祝福してやろう。
さようなら、大好きなヒラタン!




1995年7月13日(水) 自室にて死亡

【コクワガタ♂50mm×1】

備考:夜、プラケを覗いてみると、昨日まで元気だった彼(通販にて購入。性格があまり
に凶悪な為、最近まで独房に入れていた。今年の5月、交尾の相手として羽化したばかり
の♀〈幼タン:東武デパートで幼虫の時、購入した〉を1頭与えたが結果は如何に?)は
皿木に寄り掛かりながら頭を上に向けて死んでいた(今年6月、以前からおかしくしてい
た左の後脚を完全に失ったので、そこの傷口からダニが入り込み、死亡したのかも知れな
い)。大量のダニが、冷たくなった彼の骸にゾワゾワたかっている光景は凄く不気味であ
った。彼は僕が今まで飼って来たコクワ♂の中で1番大きな個体だった。




1995年7月10日(月) 通販にて

【オオクワ♂61mm×1,オオクワ♀40mm×1】

デューク隊員のみ

備考:クール宅急便の夜間指定で届いた。♂の大顎は予想通り、大歯型であった。良かっ
た良かった。




1996年8月2日(金) 北海道K公園

【エゾミヤマ♂×4 内訳:小型2、大型2,エゾミヤマ♀×2 内訳:中・大型が各1,
 ノコギリ♂×2 内訳:中・大型が各1】

元・上司隊長のみ

備考:元・上司隊長が北海道K公園にて採集。




1996年10月15日(火) 通販にて

【ヤマトサビ♂中型×1,♀中型×2】

デューク隊員のみ

備考:奈良の業者(奈良オオクワセンター)に発注していたクワガタが届いた。1ペアの
みの注文であったが、届いたのは3頭だった。おそらく♀を1頭オマケに付けてくれたの
であろう(♀の片方は、右前脚のフ節が取れた個体であった為、商品にはならず、オマケ
に付けてくれたのだと思う)。
                                     〔了〕

虫飼いのつぶやき