【元・上司採集隊シリーズ(桧枝岐篇1)】
あの…幻といわれる! 野生の巨大オオクワガタ♂を求めて!?
1995年
8月4日(金曜)
【PM9:40頃】秋葉原駅付近のラーメン屋で夕食を済ました我々は、採集車
に乗り込み、首都高へ向かう。

8月5日(土曜)
【AM1:30頃】関越自動車道「小出インター」到着。給油をする為、近くの
ガソリンスタンドに立ち寄る。ついでに用を足しておこうとトイレに入ると、壁
一面に無数のアマガエルが! 我々はすばやく用を済まし、慌てて外に出る…と
入れ替わりに元・ヤンキー風の女性客が2人、カエルゾーンへ! それから数十
秒後、2人の女の絶叫が我々の耳に届いた…。天井の灯火にカブトムシの雄とガ
ムシ、それにシロスジカミキリ等が集まっていたので、カブトムシだけ採集する。

【AM1:50頃】コンビニに立ち寄ると、入り口の前にミヤマカミキリのよう
な虫が落ちているのを発見。捕ろうとして上翅を掴むと、ブヨブヨした感触が!
「ひゃあっ!」驚いて手を放す。「一体何の虫だ」じっくり見てみると、尻から
2センチくらいの管が出ている。今まで見た事がない虫だ。もしかしたらカミキ
リモドキのように毒を持っているのではないだろうか? …と、突如背後から人
の気配が! さっと険しい顔をしながら振り向くと、そこには日焼けした青年が
微笑みながら立っていた。「あの〜、もしかして虫屋さんですか?」青年はささ
やくようにそう言った。「何? 虫屋だとぉ! 専門用語を使うとは…こいつ、
月刊むしの愛読者か? まあ、それは俺もそうだが…。もしかしてクワガタ屋じ
ゃないだろうなぁ。だとしたら…うかうかしていられない。先に出発しなければ
ヤバイ!」デューク隊員は顔をひきつらせながら、「い、いやあ…」と答えてそ
の場を去った(店に入った)。買物を済ませてコンビニから出ると、青年の仲間
らしいヒゲオヤジがさっきの虫を見て、「ミヤマカミキリだ」とつぶやいていた
ので少なくとも彼らはカミキリ屋ではないだろう(…この青年達とは、のちほど
又出会う事になる)。

【AM2:00頃】スーパーの灯火に大量のガムシが集まっているのを発見。我
々はその場所をガムシゾーンと命名した(国道352号に入る直前にある)。

【AM2:30頃】道沿いにある(稼働した)自販機、明るい街灯を見かける度、
車を降りて調べた結果、カブトムシとミヤマ、ノコギリクワガタがいっぱい捕れ
た(ほとんどがメス)。

【AM3:00頃】紫色の霧(実は蒸気)が立ち込める、真夜中の奥只見シルバ
ーラインはすごく不気味である。そこを走行中、元・上司隊長が、「身長3メー
トル程あり、後頭部に日輪を付けたお手伝いさん型宇宙人が後ろから追いかけて
来て捕らえられ、どこかに連れて行かれてしまいそうなトンネルだなぁ」と冗談
でつぶやいていたのだが、でも実際、本当に起こりそうな…そんな道である。我
々はこの道をトワイライト・ゾーンと命名した。        〔以下続く〕

虫飼いのつぶやき